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「ZONE 存在しなかった命」

餓死した牛を食べて命をつないだ犬を保護した、松村直登さんのブログを見てみた。

なんと、あのワンコは、元気になったのだそうだ。
そして、松村さんから、「キセキ」という名前をもらっていた。


私、松村さんに保護された瞬間、「一人ぼっちで死ななくてよかった」と思った。

松村さんも犬の状態を見た時、「今日、明日の命」と思ったのだそうだ。

よくも、生き延びたという奇跡。
そして、奇跡的に松村さんに発見されて、保護されて、奇跡的に日曜日に診察をしている動物病院があって、奇跡的にフィレリアに感染していなかった。

良かったね。


松村さんのブログに、キセキ君は、寒さの厳しい福島から、東京に引っ越したとあった。
新しい飼い主は、「北田さん」とあった。

…アレ? そういえばこの映画を撮った方、「北田」という名前ではなかっただろうか? もしかして…。


もしかして、だった。
映画を撮った方は、北田直俊さんという。

そしてなんと、上映の最終日、キセキ君も会場に来たらしい。


キセキ君が発見されたのは、2012年の8月の中旬。
北田さんがお願いして、松村さんに連れて行ってもらった牛舎にいた。

牛舎に迷い込んだ犬ではないという。
牛舎に閉じ込められた犬。

原発の事故の前は、牛舎の中を駆け回って、牛たちと仲良しだったかもしれない。

事故の後は、食べ物と水を求める牛たちの声、掃除されない排泄物の臭い、死んだ牛たちの臭い。そして静寂。
圧倒的な地獄だったと思う。
そんな中で、一年半、ずっと飼い主を待っていたのか。

ペットである犬は、嬉しい、大好き、ありがとう、大丈夫?、嫌だ、ごめんなさいの感情を知っていると思う。
一年半、彼は状況をどう受け入れて、生きたんだろう。
保護された時の顔も、その後にブログでアップされた写真を見ても、彼は、恨みという感情を知らないみたい。


映画でも、北田さんのブログの中にも、ペットを残して避難した方たちに対する、やり場のない怒りがある。

聞きたくない言葉。
言われたくない言葉。
口にしたくはない言葉。

私だったら…と思うと、自信はまったくない。

気持ちがねじれにねじれて、「うるさい。余計なことするな」って、逆切れしてしまいそうな予感もある。

元気になったキセキ君の姿だけ見て、耳を塞いでしまいたい。
Date: 2014.03.13
Category: 映画
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